93年の東北大会準決勝で延長16回までもつれ込み16回投げ231球、19奪三振を記録して一躍有名に。甲子園には93年春夏、94年春に出場。高校生として日本代表にも選ばれる。出身地は埼玉で子供の頃から大の西武ファン、西武からの指名もあったが、野手としての評価だった。投手のこだわりが強かった嶋は、投手として高く評価してくれた広島に入団する。
入団1年目は左ヒジ、2年目は左肩を故障。4年目を終えた98年の秋に打者転向を決めた。高校通算28本塁打とバットには自信があったが、ブランクは大きく、最初はマシンを打っても前に飛ばなかった。まず課したのは1日1000球のティー打撃。だが、打者になってからは腰痛が持病となった。実はプロになって1度だけ泣いたことがある。4年前の夏、広島市民球場での親子試合。昼間の2軍戦の前に1軍昇格が決まっていた。景気づけの一発も打った。しかし、外野の守備で左ひざをフェンスに激突。メスを入れる重傷だった。戻った自宅マンションで涙が出た。
03年もシーズン終盤に、ようやく1軍へ上がり、2年ぶりのヒットを放つが、相変わらず出番は少ない。野手転向した99年の47試合を最高に、出場数、成績は年々と下降線をたどる。解雇を覚悟した03年秋、野球を続けたい一心で米国の知人から代理人を紹介してもらい、米大リーグのパイレーツとデビルレイズの入団テストを受ける手はずを整えた。広島からの契約更新が届いたのは、まさにその時だった。
秋季キャンプで内田チーフ打撃コーチと打撃改造に取り組んだ。「ボールとの距離感がつかめた。『懐が深くなった』という感じですかねえ。打球の質や飛んでいく角度が変わったんですよ。打っていて、自分の中で『これだ』と感じたんです」。内田チーフ打撃コーチとともに忘れてはならないのが三村ヘッドの存在だ。「足が遅いイメージだったけど、そんなことない。パワーもあるし、おもしろいよ」。秋季キャンプから現場に復帰すると、2軍でくすぶっていた55番にいち早く注目した。
04年、緒方の故障もあって、開幕戦から先発で起用、驚異的な猛打で4月は打率.412、9本塁打を記録。ヤンキース松井と同じ「背番号55」から付いた愛称は「赤ゴジラ」。テレビにも揚げられ一躍全国区になった。月間MVPを逃したが胸張れる4月の活躍。約1ヶ月間で球団には100通を超える激励メールが届いた。5、6月は一時的に打率が落ちた。「今まで打ったのはフロックじゃない。初心に戻れば大丈夫」と復調を信じた。7月以降の3ヶ月で3割5分以上打ち再加速した。しかし背中から腰部分にかけた痛みが9月下旬に発症。10月は、セ・リーグの最多安打も視野に入れていたが、翌年の事も考え欠場した。最終的には打率.337でシーズンを終え、最多安打と首位打者の2冠を獲得。本塁打も大台の30本を記録した。また年俸700万円がどこまでアップするか、ファンのみならず期待されたが、4550万円となった。アップ率550%はセ・リーグでは過去最高。他にもタイトル料で500万円のボーナス。ここまでブレイクしたのは、内田チーフ打撃コーチと三村ヘッドのおかげ。本当にありがとう。
05年は、キャンプで右足内転筋痛、開幕前の扁桃(へんとう)炎の影響もあり、調整が遅れた。他球団からのマークも厳しくなり、開幕3試合は無安打。4月は打率.253に終わった。内角攻めで、顔の付近にも投げられた。インコースに投げられて、踏み込んでいるつもりでも、踏み込めない状態だった。その為、甘い球でもポイントがズレ、的確にヒットする事ができなかった。8月の終わりから、04年の頃の調子に戻り、安打を量産したが、結局、打率.288、27本塁打に終わり、得点圏打率も.350から.255へ大幅ダウン。
04年の大活躍のイメージが強く、打てない感じにも見えたが、まずまずの成績ではないだろうか。ただ打てない時期、1年しか実績を残してない嶋を辛抱強く起用し続けたのは、他の野手のモチベーションを下げたのでは?。本人のリフレッシュという意味も含め、もう少し起用を考えて欲しかった。
ブラウン監督の方針により、プロ11年目で初めて開幕4番に座った。その開幕戦で3安打猛打賞を記録するなど、05年でも経験しているだけに不安は無かった。チーム全体の打撃不振により、4月中旬から従来の3番に戻った。4月は、23日の中日戦(米子)で、プロ入り初の満塁弾を含むシーズン初の1試合2本塁打で自己最多の6打点を叩き出し、4度の猛打賞を記録するなど、上々のスタートを切った。
しかし5月以降は、満足のいく体で戦えなかった。5、6月と2度の背筋痛の影響から打撃は低迷。6月終盤には3番から6番に降格した。7月は先発すら外される事もあった。8月は、打率.333、7本塁打、15打点と状態も良くなってきたが、9月になると今度は、左ヒザ痛、右肩関節挫傷を発症し、ついには26日に登録抹消された。ここ3年間で出場数を含め全てワーストの成績となってしまった。単なる打撃不振・スランプといったことではなく、度重なる故障が原因だ。
今季も3番で起用される事が予想され、状態さえ良ければ3割30本は簡単に達成できる選手だけに、万全な状態で試合に挑めるよう体作りを行って欲しい。
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